観劇して感激した話

今回のNY旅行でもっとも印象に残ったのはやっぱりブロードウェイの舞台。
美術館とか博物館とか街並みとかも、もちろん全部本当に素敵だったけど。
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その中でも舞台は素敵を通り越してた。


感動を超えて、身体が振動してるのを感じた。

心臓が跳ねて踊って、それに合わせて血管が「ドクッドクッ」て鳴る。興奮してる自分に気づいて、思わずニヤニヤっと口元が動く。背中をゾワゾワとなにかが走る。

すげえ、、、」「うわぁ、、、」「おおお

心で感じたことが、言葉になる前にあいた口から漏れていた。

 


あの感覚を僕は忘れることができない。

 

財布と相談しながらタイムズスクエアに毎日通った。相談というか、もはや脅迫。「来月稼ぐからいいじゃねえか」と、財布を開けるたびに聞こえる悲鳴を無視して、思いのままクレジットカードを切った。

 

それでもなんとか節約はした方だと思う。席も演目も本当にどこでもよかったら、とにかく一番安いチケットを求めて、劇場から劇場へと走り回った。多分あの時の自分はギラギラしてたんだろうなあ。穴の空いたスニーカーでも疲れを感じることがなかった。

 

結果的に舞台を3本見ることができた。
極力内容は伏せながら、一個ずつ感想を言っていきたい。

 


①significant other

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マンハッタン到着したその日に見たお芝居。適当にその辺の劇場に入って、「まだチケットありますか?」と聞いたら、
「ちょうど前から三列目の席が30ドルであるよ」

とのことだったので即購入。内容も役者も演出家も、前情報を全く仕入れないままの観劇だった。


その結果。


めっちゃくちゃ面白かった

 

おいおいおい。なんだこれ。

面白すぎんだろ。


演技、演出、音響、照明、そのどれもがいっさい鼻につくことなく、2時間弱の間、一度も舞台から目が離れなかった。特に好きだったのは演出の雰囲気かなあ。


ちょっと悔しかった。
「ブロードウェイの舞台はすごいよ!」ってニューヨークに行ったことのある周りの人がみんな口をそろえて言ってて。


「実際はそうでもないのに、ニューヨークの演劇だからってみんな持ち上げちゃってるんじゃないの?」

と少しひねくれてたけどいやいやいや。いやいやごめん。ものすごく面白かった。笑った笑った。
はじめてマジのスタンディングオベーションを見た。

内容も分かりやすいと思う。どの役も超いいキャラしてるし、みんなハマってた。オススメ。


②CATS

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「ブロードウェイといえばミュージカル」
的なイメージがあったのでやっぱり見るべきだと思い、日本でも有名なCATSを見た。
ミュージカルは、10年くらい前にシアトルでAnnieを見た以来で、記憶も全然ないのでほぼ初見といっていい。


これはもうなんというか、

舞台が生き物みたいだった。
止まってるシーンも踊ってるシーンも、ずーっと舞台が呼吸してるように見えた。

 

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役者のセリフは3,4割くらいしか理解できなかった。(ちなみに英語が母語の人が見ても半分も分からないそう)

 

でもそれを補える全体のレベルの高さたるや、、、。

「え、これ生歌なの?」

って疑うくらいに上手な歌、動きの統一感も、舞台装置も、

「ひょええええ!!これはお金払って見たくなるわ」と、素直な感想。

「ブロードウェイのミュージカル」はすごい。流石。

でも周りのお客さんは、熱心に見てる人とつまらなそうにしてる人が半々くらいで、夢中な子供もいればお父さんに抱っこされて寝てる子もいたりして。人それぞれなんだなぁ、ふーんと思った。

かくいう僕も芝居とミュージカルの両方を見てみて、「自分はミュージカルより普通の芝居の方が好きかなあ。」と気づいた。


これは単純な好みの問題かな。こういうことを比べるのはあまり好きじゃないけど、「同じお金を払うなら」と考えたときに芝居のほうが見たいと思った。

 

③Man From Nebraska

 

そういう理由で、最後はお芝居にしました。

 

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significant otherとCATSがどちらも素晴らしかっただけに、期待を下回らないか不安だったけど、その心配はまったく無用だった。


これお洒落だったー。すっごくお洒落。面白いだけじゃなくて、全体の雰囲気としてすごく品があった。作り手が意図していないのに自然と生まれてる、霧のような空気。
感覚的に、綺麗で清潔な白いシーツに寝転がって「うあーーー」って伸びをしてるみたいな、心地いい舞台だった。

 

主役のおじいちゃんが素敵。
このときには「演技がとてつもなく上手」なのは自分の中で当たり前になってて、「演技すごいなあ」と感じることはなかった。てかでも「演技すごいなあ」って感じさせない役者さんが一番すごいんじゃないか??


これも演出がとてもよかった。特にラストシーンは会場の全員が鳥肌立っていたと思う。

あ、一瞬舞台裏かかどこから椅子をひくような音がしてそれだけ少し耳障りだった。舞台中は静かにしてほしい。ほんと。

 

女性がおっぱいをがっつり出すようなラブシーンを生で見たのはこの劇がはじめて。

普通にエロかった。いやあエロかった。それでも品があったなあ。心地いいエロさ。

穏やかなシーンが決して多いわけではないのに、見終わった後に ほころんじゃう。よい演劇だった。

 

と、こんな感じで

3つ舞台を見て 3つとも当たりだなんて

ラッキーなのかなんなのか分からないけど

 

もっともっともっともっと見たい。

そう思わせてくれた。

次は200万円くらい持って1ヶ月くらい滞在したいなあ。

 

最後のMan From Nebraska。

隣の席に座ってた、退職して観劇を趣味にしてるおじいちゃんと仲良くなって、始まる前と途中の休憩と始まった後にちょこちょこ話した。その会話が印象的だったので一部抜粋。

 

爺「どこから来たのー?」

僕「日本だよー」

爺「お!俺のワイフも日本で働いてたんだよー」

僕「へーそーなんだ」

爺「演劇はよく見るの?」

僕「んー、日本では自分でチケットを買って見に行くことはあまりないかな。動画でよく見るくらい。でもニューヨークで色んな舞台見て本当な圧倒されてる。だから日本でも色々見に行きたいなーって思ってる」

爺「ほえーそーなんだ。いいことだ。まあニューヨークはレベル高いからなあ。日本には歌舞伎とかいうわけわからないのもあるしね。あれで喜ぶと思ってるのかなあ日本人は?」

 

うわあお。

想像もしていなかった言葉が来た。

なんて返せばいいかがとっさに出て来なくて、「そんなことないよ!」とも、自分が歌舞伎に関わってきていることも結局言い出せないまま、「んーまあ、感じ方は人それぞれだしね」と言った。それでその会話の流れは終わった。ちょっと後悔、、、。

 

うん。まあ感じ方は人それぞれ。本当に。

僕が上で紹介した3つを

「クッソつまんねええ!!!」っていう人も絶対いるし。

だからこそすごく面白いと僕は思う。音楽とか絵とかもそうだけど、人間が出る。

本当に日本でも色々な舞台を見に行きたいなと思いました。

 

観劇して、感激した話。

考えた話。

考えてる話。

でした。

 

いま何よりも怖いのが来月のクレジットカードの請求。怖くてたまらない。逃げたい。

逃げたい、で思い出したけど、帰りの飛行機で、遅ればせながら「逃げ恥」を見ました。あれ面白かった。

 

ああ。何もかもうまくいってガッキーと結婚できますように。

 

2017年 3月7日